
いまさら、こんな古いアルバムをなんで? という思う方もあるかと思いますが、理由は単純で。 アナログの時代からリファレンスとして聴いてるので、時代が変わるにつれ変わりゆく機材のなかでも、私の場合「その機材でどういうふうに鳴っていたか」という音を覚えているので、中古や新品が混在したシステムの評価をするときに絶対的な尺度でトラッキングができる唯一のアルバムだから。 ほんとうに一体何回聴いたのか判らないくらいの回数を様々なセットで聴いてきたが、これからもまた幾度となく聴くことになるだろうと思う一枚。 「I.G.Y」のイントロのシンセ(プロフェットかな?)の倍音の乗り方とか、スネアの音に同期してゲートが開くのが判るドラムのアンビエンス感だとか、マルチモノフォニック的な各パートの定位の安定感とか、フェゲンのハスキーな声質とかを注意して聴いてみてほしい。 収録されている音自体の鮮度は昔の1fsで16bitサンプリングの32トラックデジタルMTRのクオリティなので、今では取り立ててどうという程ではないと思うけど、当時はレコードに針を降ろして音が出てきた瞬間に思わず仰け反ってしまったことを記憶している。(もう22年前かぁ〜...絶句)